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株式会社ライゾマティクス組織変更のお知らせ

October 30, 2019

組織変更に伴う、商号とライゾマティクスリサーチ、ライゾマティクス・アーキテクチャーの名称変更と新会社設立に関して

メディアアート・広告・エンターテインメント・建築・都市開発まで、様々な領域でリアルとオンラインを横断しながら活動の幅を拡張し続けてきた株式会社ライゾマティクス( 本社:東京都渋谷区、代表取締役:齋藤精一 以下、当社)は、今年設立15年を経て、下記の通り組織変更することをお知らせいたします。

−「新しい領域を切り開き世界をより面白くする」
そんな使命感と野望を持って2006年に株式会社ライゾマティクスを設立しました。
インタラクティブアートを通じて情報表示の新たな形態や、人と人、人と機械の新たなコミュニケーションを提案して来たライゾマティクスはメディアアートで培われた知見が一般的なサービスやプロダクト、エンターテインメントへと展開される黎明期から多くのプロジェクトを世の中に作り出してきました。
数多くのプロジェクトやコラボレーションを通じて活動の領域を拡げ、2016年7月25日に創立10周年を迎えた当社は「Research」「Architecture」「Design」の3部門を設立し、美術館やライブイベント、広告プロモーションから始まったクリエイションを商業施設や都市開発といった実空間におけるインフラやプラットフォームへと実装してきました。
2020年を迎え、データとコンピュテーションの主導の元で社会が大きく変容し、インフラが整備される中で、これまで特殊な環境で行われていた活動が次々に公共空間へと展開されています。このような時代の中、アートや広告の現場で築き上げてきた挑戦的なプロジェクトの実績を活かして社会へ次々と実装するチャンスが増えると同時に、社会、産業からはこれまでよりも一層大規模な要請を受けることとなりました。このような時代背景とこれまでの取り組みから、2020年、当社は大きな変革を行います。

●商号変更
株式会社ライゾマティクスは下記の通り2021年1月末より株式会社アブストラクトエンジンへと社名変更いたします。
【新社名】株式会社アブストラクトエンジン
【変更日】2021年1月末
【WEBサイト】https://abstractengine.ltd/
【代表】代表取締役:齋藤精一 
社名の由来:
abstract machines=「抽象機械」の考え方は普遍的で非公理的であり、図表的なオートマタとしてフーコーやドゥルーズ、ガタリにも引用された。彼らの時代は過ぎ、大きな哲学のうねりを失っている現代において、もはやマシーンではなく力を生み出す社会の動力=engineとして機能すべく新社名を「Abstract Engine」と名付け、実証実験、社会実装を更に推し進めてまいります。

株式会社ライゾマティクスを株式会社アブストラクトエンジンへと社名変更し、「ライゾマティクス」と「パノラマティクス」の2つのチームを設置。関係会社として新たに株式会社フロウプラトウを設立。

■組織織変更
技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に扱う部門「ライゾマティクスリサーチ」は、「ライゾマティクス」として改め、今後もR&Dプロジェクトや作品制作、外部のアーティストや研究者とのコラボレーションプロジェクトなどを通じて、より一層カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表していきます。
【新チーム名】ライゾマティクス
【変更日】2020年10月 30日(金)
【WEBサイト】https://rhizomatiks.com/
【主宰】真鍋大度、石橋素

■組織変更
デジタル・テクノロジーを活かしたクリエイティブで得られる体験を、空間・都市といった世界まで拡張し、建てて終わりの建築ではない変化と進化を続ける建築を生み出す部門「ライゾマティクス・アーキテクチャー」は、「パノラマティクス」として改め、社会を良い方向に動かすクリエイティブアクションを続けていくため、これまで繋がらなかった領域を横断して組織や人、行政や業界を繋ぎ、新しい仕組みからつくります。
【新チーム名】パノラマティクス
【変更日】2020年10月 30日(金)
【WEBサイト】https://panoramatiks.com
【主宰】齋藤精一

●新会社設立
株式会社ライゾマティクスは2006年の設立からこれまで、表現のための研究開発力、多くの企業とのコラボレーションを通じた統合的なクリエイティブ力を培ってきました。オンスクリーンからフィジカル空間まで横断するデザイン・実装力をベースに豊かな体験をつくり、持続可能な状態で社会に実装するため、株式会社フロウプラトウ(本社:東京都目黒区、 代表取締役:千葉秀憲)を立ち上げ、さらには東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社より約4億円の資金調達を行い、体制を新たにします。
代表取締役には当社取締役/プロデューサーとして国内外数々の大型案件を担当してきた千葉秀憲、取締役には同じく創業期からのメンバーである中浜大輔、東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社から片寄裕市が就任致します。

〈会社概要〉
【社名】株式会社フロウプラトウ 
【代表】代表取締役:千葉秀憲
【所在地】東京都目黒区東山1-4-4 目黒東山ビル8F
【資本金】¥200,025,000
【事業内容】コミュニケーションデザイン、ウェブデザイン、グラフィックデザイン、ブランディング、スペースエクスペリエンスデザイン、マネジメント
【業務開始日】2019年11月1日(金) 
【WEBサイト】https://flowplateaux.com/

社名の由来:
フロウプラトウとは、ライゾマティクスの元となった「リゾーム」を掲げたフランスの哲学者ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの共著「千のプラトー」から引用し、「リゾーム」は地下茎、「プラトー」は高原を意味します。地下から地上へと拡げていく意図を込め、フロウプラトウと命名しました。

〈主な事業内容〉
「持続可能な社会実装」を全ての活動のベースとし、
・クライアントと共に考え、デザイン・実装力で解を導く
・社会の変化に伴う潜在ニーズとナレッジの接点を見出し、短中長期視点で新たな価値を社会に実装する
・ライゾマティクスでのマネジメントの知見を生かし、クリエイターが活動しやすい環境をつくる
これら3つの活動を通じ、多くのクライアントやパートナーと共に、より良い社会づくりに貢献していきます。

▼コメント
齋藤精一(さいとう せいいち)
株式会社アブストラクトエンジン 代表取締役
パノラマティクス 主宰
1975年 神奈川県生まれ、東京理科大学理工学部建築学科卒。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。Omnicom Group傘下のArnell Groupにてクリエイティブとして活動し、2003年の越後妻有アートトリエンナーレでのアーティスト選出を機に帰国。フリーランスのクリエイターとして活躍後、2006年株式会社ライゾマティクス設立、2016年よりRhizomatiks Architectureを主宰。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続け、現在では行政や企業などの企画や実装アドバイザーも数多く行う。2018 – 2020年グッドデザイン賞審査委員副委員長。2020年ドバイ万博 日本館クリエイティブ・アドバイザー。2025年大阪・関西万博People’s Living Lab促進会議有識者・現在People’s Living Labクリエイター。
(齋藤コメント)
建築を一度諦めた私は、建築よりも圧倒的に速いクリエイティブ産業に10年以上従事してまいりました。広告、ブランディング、映像、イベントやプロモーションなど、立体から、コトのデザインまで様々なデザイン領域を長年経験した後、設立10周年を期に一度自分とライゾマティクスのルーツを考えました。その上で社会をより良く変えるために、コンテンツや表現がもっと社会のエンジンになるために考えた結果、見出した自分なりの答えが、「建築・都市への回帰」でした。現在は都市開発や地方活性化、行政とのクリエイション、ICT・スマートシティ実装などに関わり、社会実装の難しさと取り組む意義が見えてきました。今回の社名変更も含めた体制変革は我々がチームとして、個人として次の段階に進むために不可欠であり、更に様々な形態とスケールで社会実装をしていく手段として長い間準備をしてきました。それを皆さんにようやく報告できるのを嬉しく思うと同時に、今後更に広がる様々なプロジェクトに皆さんと共に挑んでいければと思います。

真鍋大度(まなべ だいと)
ライゾマティクス 主宰
株式会社アブストラクトエンジン 取締役
1976年東京都生まれ。アーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマ、DJ。東京理科大学数学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS) 卒。2006年株式会社ライゾマティクス設立、2015年よりライゾマティクスの中でもR&D的要素の強いプロジェクトを行うRhizomatiks Researchを石橋素と共同主宰。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さや、アナログとデジタル、リアルとバーチャルの関係性、境界線に着目し、デザイン、アート、エンターテイメントの領域で活動している。
(真鍋コメント)
メディアアート・インタラクティブアートが産業に展開されはじめた黎明期に、私は初めてインタラクティブシステムの開発を業務として請け負いました。2003年当時、広告コンテンツとして制作したシステムはいずれ社会インフラへと進化することを確信し、少し先の未来を予見する様なメディアアート作品の制作を開始しましたが、YouTubeの普及とともにメディアアートの大衆への認知は一気に広がり、アートとして発表していた表現は次第に一般的なサービスやプロダクト、エンターテイメントへと変化していきます。
そして2010年代に入るとメディアアーティストが持つ想像力と実装力はSNSを通じて広く知られて行き、広告やエンタメ、そしてUX/UIデザインの領域まで活動の幅が拡張しました。カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルやD&ADなど国際的な広告賞ではメディアアーティスト達の名前が連なることも多くなり、現在では社会や産業からライゾマティクスへの要請も都市開発への監修、国際的な祭典の演出などスケールが大きいものへとシフトしています。
そういった流れの中、ライゾマティクスの活動も新たなフェーズに入ったことを認識し今回の大きな体制変革へと舵を切ることになりました。15年間培ってきた知見を元にフロウプラトウ、パノラマティクスという新しい形で社会実装を行い、同時にライゾマティクスはより一層新しい挑戦が出来ればと考えています。

石橋素(いしばし もとい)
ライゾマティクス 主宰
株式会社アブストラクトエンジン 取締役
1975年静岡県生まれ。エンジニア/アーティスト。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS) 卒。
デバイス制作を主軸に、数多くの広告プロジェクトやアート作品制作、ワークショップ、ミュージックビデオ制作など、精力的に活動を行う。過去に、Ars Electronica 優秀賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞。2015年より、アート、テクノロジー、エンターテイメントを活動の中心とした研究開発部門「Rhizomatiks Research」を真鍋大度と共同主宰する。
(石橋コメント)
私がメディアアートの世界に憧れを抱きつつ足を踏み入れた2000年初頭からは、想像もつかなかった時代が今やってきています。アートから広告へ、さらにエンターテイメントへと領域を広げつつ、会社組織としてチームを強化しながら今日まで続けてきた結果、多くの幸運にも恵まれ、広く一般社会にも認知されるようになりました。さらにここから次のステップへ踏み出すために、今回の組織変更があります。困難な時代だからこそ、個の力を最大限に活かしつつも組織としての強さをさらに高め、活動の領域を広げていきます。新しいものを作り続けられる環境、作りたくなる環境、そしてそれを見てもらえる環境を、未来のために作ります。

千葉秀憲(ちば ひでのり)
株式会社フロウプラトウ 代表取締役
1976年茨城県生まれ。東京理科大学理学部卒。
株式会社ライゾマティクスの創設メンバー。経営実務担当兼プロデューサーとして、国内外の大規模な案件に従事。数多くのプロジェクトのプロデュースのほか、会社全体を俯瞰し、企業経営を行ってきた。2019年、これまで培ってきた表現のための研究開発、企業とのコラボレーションをベースとしたクリエイションを活かし、社会実装・還元を目的とした株式会社フロウプラトウを設立。
(千葉コメント)
ライゾマティクス設立からおよそ15年の間に、多くの優秀なクリエイターの方々と様々なお仕事させていただきました。クリエイターの方々は、皆違う考え方やそれぞれの信念・美意識をもって活動されていて、それを間近でみる私には、いつまでも新鮮で刺激的な毎日を送らせていただいています。彼らが求める理想の環境や体制をつくることは非常に面白いものであり、しかしながらその多様性が故にとても難しい課題だと認識しております。
私の信念は、その理想の環境と体制を考え続けることにあります。仲間たちとともに、その信念を貫き通していきます。

中浜大輔(なかはま だいすけ)
株式会社フロウプラトウ 取締役
1980年北海道生まれ。東京理科大学理学部卒。
2007年より株式会社ライゾマティクス所属。Webや映像制作などの広告案件からスタートし、Webサービス、アプリなどのデジタルプロダクトのデザイン・制作プロジェクトのマネジメントの要を担ってきた。2019年に設立した株式会社フロウプラトウでは、受託事業の担当役員。
(中浜コメント)
表現に近い場所に身を置きたいという思いで2007年にライゾマティクスに身を移し、会社の成長とともに歩んでまいりました。僕たちがもっとも大切にするのは、創業期から変わらず、作り手たちの真摯にモノづくりに向き合う姿勢です。これまでよりもさらに彼らの活躍の場を整えることで、よりクオリティの高い成果を生み出し、社会に貢献してまいりたいと思います。

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